sikikazuto
日記❷
2021年6月25日
映画をよく見る。好き嫌いせず幅広く見たいなあといつも思う。近頃は履歴に基づいて好きそうな映画をおすすめしてくれるもんだから、似たものばかりを目で追うようになった。好きなものだけ食べ続けると次第に味に慣れてきて、なんで好きなんだっけ?とふいに目が醒めるので居心地が悪い。偏食するのも体に悪い気がするから、今まで興味のなかったものにも意識して手を伸ばすようになった。

システムの考え方の一つにGIGOという法則があるそうです。システムの出力の品質は総じて入力の品質によって決まる、という考え方で、簡単にいうと「インプットがゴミならアウトプットもゴミ」。人間も一種のプログラムだと考えると、好き嫌いせず色々見たり読んだりすることで、質の良い絵や映像を作れるんじゃないかなぁとか思いながら今日も映画を見た。(海辺のエトランゼは本当によかったのでおすすめです)
幸せなことに馬鹿舌なので、たとえ世間の評価が低くとも楽しめてしまう。作品に貴賤は無いんだから選り好みするだけ損じゃん、と思うのだけれど、こう言うと評論家気質の人が黙っていない。頼んでないのに作品の良し悪しとはなんたるかをこんこんとご教授して下さるので、いやお前誰だよと思いながらも勉強にはなるから頭に留めるようにしている。

勉強は大事だと大人は口を揃えて言うので、大事なんだあと思いながら生きてきた。勉強は割と好きだったので教科書の内容くらいは覚えた気になってるけどきっと9割忘れてる。勉強に限らず、日々過ごしていると自分の教養の無さにたびたび辟易とする。
以前Twitterで呟いた内容について友人にきつめに怒られた。捉えようによっては一部の人たちを冷やかしているように聞こえる表現をしてしまったのだけれど、自分にはそんな意図はなかった。悪意がなくても人を傷つける可能性があると実感してぞっとしたと同時に、その人たちの文化や背景を知っていればそんな発言しなかったのにとやるせなく感じたのを憶えている。
近頃イランでは、度数の高いアルコールを飲めば体内のコロナを消毒できる、という風説からメタノールを口にしてしまい、失明する人があとを絶たないらしい。化学の教科書に「メタノールは有毒」と太字で書かれていたのを思い出した。

勉強や教養なんて将来役に立つかわからないけれど、気付かぬところで自分を助けているものだと思う。偏食してたびたび痛い目を見て学ぶか、面倒だけど日頃から好き嫌いせず食べるか、どちらか選べと言われたら自分は後者を選んでしまう。まだ気が楽だし。これからもおすすめ欄を無視して興味のなかった映画を見漁る。